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夏ポートレート② 〜 栗山奈々 海撮 〜

  • 執筆者の写真: tenchijin | 天地人
    tenchijin | 天地人
  • 3 日前
  • 読了時間: 6分

はじめに


当記事は前記事「夏ポートレート①」の続編になりますので、こちらを一読いただいた後にお読みいただけると幸いです。


 さて、夏といえばたぶん過半数の方が海!と答えるのではないでしょうか。海こそが夏、夏こそが海なのです。青い海、輝く海、暑い海などいろいろありますけど、私が選ぶのは日没前の夕陽(サンセット)の海。夏の海は夕陽こそが一番ドラマチックだと思っています。思いつけば海を見に行けるような所に居住していることもあり、海は夕陽!という思いが頭の中にあるのでしょう。もちろん彼女をモデルとして、撮ってみたいイメージは頭の中にあります。このイメージがあるということは一番大事なところですね。


 ご一読頂いて感想などいただけると嬉しいです。


「 漂う 」
「 漂う 」




「笹川流れ」


 撮影ロケはもちろん地元でもある新潟の海です。新潟は砂浜が多いのですが、しっかり入水撮影をするのであれば足場のしっかりしている岩場のある所の方が絶対的に望ましいです。これは何回も入水海撮をやった結果で考察しています。よく砂場の波打ち際でグラビア(水着)のような撮影を見かけますけどあれはドラマティック感が半減しますよね。如何に水面ギリギリまで寄れるか、が入水撮影のキモだと思っています。

 前置きが長くなりましたが新潟にはそのような撮影に適した浜辺があります。新潟を代表する景勝地でもある「笹川流れ」。美しい景観を誇るとともに岩場もあって身体を固定しやすい。ご存じのように海には波があります。波に流されず揺らされずモデルやカメラが固定できるのは撮影としてもとても大きいです。砂場に比べれば雲泥の撮りやすさなのです。


「 笹川流れ 」
「 笹川流れ 」



栗山奈々


 モデルは栗山奈々さんにお願いしました。初撮です。初めましての撮影なんです。初めてのモデルなのに難易度の高い海での入水撮影。大丈夫なのか?と問い返したくなりますよね。撮影は初めてなんですが何度もお話もしたことがあるし沼天展の時にも青沼さんを通して懇意にして頂いていたので、多分二人とも初めて感はなかったかと思います。それでもカメラを向けた撮影に慣れるためにいちおう向日葵畑撮影もしておきました。(前記事をお読みください)。これでクセとか大体の雰囲気を掴めたかと思います。

 ご存じとは思いますが、栗山さんはfemto専属モデルの頃からの人気モデルで、美しいルックスがもちろんなんですけどやはりあれだけの枠をこなしているだけあってポージングの流れもとてもいいです。見せ方(撮られ方)がわかっている。コミュニケーション力というかやりとりもとても上手で確かに人気あるわなあ。という率直な感想をもちました。そして一番大事なところなのですが、ガッツがあるところ!多少の頑張りは普通のモデルさんならできるし、かなり慎重に気を遣いながら撮影できる所なんでしょうけど、彼女の場合はその一歩先へ自分から行ってしまいます。このあたりも山中さんイズムというか、femtoの影響が強いんでしょうね。

今回は新潟まで来てくれてありがとう。今日の撮影はがんばるぞー。と彼女を見ていて思いました。


「 制服ガール 」
「 制服ガール 」



入水撮影


 このロケはもう何度も行っていますので大体の様子はイメージできます。それでもこの日は満潮で通路自体が海につかっている状況。逆にテンションが上がります。夏の外撮は暑いしモデルさんも日に焼けちゃうので日中は避けた方がいいです。海撮もドラマチックな画が撮れればいいので17:00過ぎから日が落ちるまでの役1時間弱の勝負です。撮りたい画だけ撮れればいいので。一番緊張するのはモデルさんの衣装が最初に濡れる場面。ここは大事にしたいところ。栗山さんは最初からもうドバッといきたい感じだったんですがそこは押さえて少しずつ少しずつ。と言っているうちにもう栗山さんずぶ濡れになっていました(笑)。

 入水撮影では、安全に気をつけなければなりません。モデルさんはもちろん一番に。そしてカメラマンもです。

 カメラの装備なんですけど皆さんはどういう風に準備しているのかなあ。ハウジングとか使って完全防水でやってるのかなあ?自分は完全に剥き出しのそのままで撮影しています。さすがにストラップは首から回して付けています。去年砂場で波を被った経験からかなり慎重に撮影していました。レンズは20mmをD850に、105mmをD6に付けています。レンズ交換は浜辺ではほぼしません。撮っていくうちに、去年砂に浸かったD850が途中で不調になったのでD6だけでの撮影になりましたが。

 さてここで大きなトラブルが。腰痛持ち(ぎっくり腰)なんですが、海に入ると身体が軽くなりますよね。そのままの状態で調子に乗って海から上がってカメラを動作していたらギクッと。幸い動けなくなるような感じではなく軽い感じなので何とか続けられてよかったです。


「 サンセット 」
「 サンセット 」



終わりに


 海に入るとなかなかカメラマンの指示が通りにくくなります。慣れたモデルさんであれば意図を酌んで動いてくれやすいんですが、今回の栗山さんは初撮。というのが一般的な話なんですが、自分の期待するよりもいい写真がいっぱい撮れました。彼女の熱心さと技量が高かったんだと思います。素晴らしかった。ドラマチックな写真を求める時にはあらかじめイメージをお伝えするんですけど、それ以上にモデルの技量が大きいと思っています。撮影にはカメラマンの力量云々より最終的にモデルの表情表現が大きい。独善的なカメラマン本意の書き方で申し訳ないが、写真の味ってそういう所だと思っています。逆にいうとカメラマンはそのモデル選びが大切。栗山さんをモデルにした自分スゲーということになります(笑)。色々なシチュエーションで彼女を撮り続けれれれば凄い作品が積み重ねられるだろうなあ、撮ってる人羨ましいなあと思いました。栗山さんとの初撮を以前から楽しみにしていたのですがまさかの海入水撮影になるとは。世の中分からないものですね。

 最後に独善的な書き方をしましたが、地元である美しい新潟の海を写真表現するのにモデルとなってくれた栗山さんに感謝しながら今年の夏の1回だけの海撮影を完了することとします。


「 日が沈むまでに 」
「 日が沈むまでに 」

=解説=

「日が沈むまでに」

Camera Nikon D6

Lense  Nikon AF-S 58mm f/1.4G

model 栗山奈々

location 新潟県村上市笹川流れ


 日本海の特徴はなんといっても日没の太陽が水平線に沈むということだ。ドラマチックな光景であり、夏の海撮影ではそれだけで優れた被写体として存在する。

 この作品ではその日没とともに点灯させたランタンをモデルに持たせることで夏の夕暮れを強調させてみた。私の追い続けている撮影テーマは「存在」であるが、この時のモデルの表情と相まって、彼女の儚さと夏の夕暮れにおける彼女の存在を際立てるような作品をこの一枚に表すことが出来た。

 
 
 

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