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冬の山形 雪撮影記 [ ポートレート ]

執筆者の写真: tenchijin | 天地人tenchijin | 天地人

更新日:2月14日

今年は雪撮をはじめ遠出ができない状態なので、昨年山形へ行った時の撮影記録でも。


昨年の3月のはじめに山形の撮影にでかけました。


モデルの山中夏歩さんには東京始発の山形新幹線で大石田駅まで来てほしいという計画で、撮影ロケにははじめ湯沢を考えていたのですが、2月になるとさすがに降雪も少なくなってきているようなので、2日前の予報を最終決定として雪が降る予報であれば湯沢周辺で。雪が降らない予報であれば山形かあるいは長野の標高が高いところを候補に撮影計画を立てました。

それでも雪が降らなければあまりいい画にはならないだろうから場所変えましょう、リスケもありで、という提案にも快く了承していただいていました。(このへんは山中さんならではの対応ですよね。)


天気予報は一週間前からずっと見ていたのですが、やはり湯沢や長野は降らなくて東北は降るのだけど場所によってはよくわからないような状況でした。


前日予報では山形に割とまとまった降雪があるということ。歓喜しましたね。


Natsuho Yamanaka at GINZAN ONSEN
Natsuho Yamanaka at GINZAN ONSEN



国道113号線


山中氏は始発で乗車いただき、9:20ころに大石田駅到着ということなので、普通であれば新潟から4時間もあればつくんですけど、雪のこともあるので25時くらいに出発すれば余裕で間に合うでしょう、と軽い気持ちで出かけたのですが、これが後で吉と出るのか凶と出るのか。


新潟市から新新バイパス(新潟ー新発田バイパス)で下越方面を目指し、関川から荒川沿いに国道113で南陽市まで抜ける道なのですがこの113号線の雪が凄かったんです。久しぶりにホワイトアウト、しかも夜のホワイトアウトに出会い私の車の前後にも走る車はなく対向車すらもないような日だったのです。川風がひどく、しかも川風は冷たいから道もかなり凍結しているというかなりの悪路。私以外の車が走ってないのもああそういうことか、と思うくらいでした。心細さと同時にもし道路はずれて車が落ちても誰も助けてくれないんだろうなあ、と思いながら時速10キロから20キロくらいのかなり低速運転いやそれ以下かもしれない、時々猛吹雪で1m先も見えないような時は停止したり。

先ほどいったように車も走ってないのでわだちとかそのような痕がなくてちょっと道路から外れたら川に飛び込みそうな。まじで怖い運転でした。フロントガラスの表面も真っ白で見えないし、ほんとナビに示される地図が一番の情報でしたね。

ホワイトアウトとかは雪国に住んでいれば誰しもが経験のあることであるのですが、なかなかこういう視界の悪さは記憶ないかも。


ちなみに自分の車はガソリン4WDなのですが、上り坂や轍(わだち)とかにはとても強いです。カーブとか曲がるときには強力です。発進にもとても強いです。ところがその半面、ブレーキや下り坂では普通の車と全く同じなのでエンジンブレーキを多用する運転を心がけています。川沿いの道路の下りなんてブレーキはほんと効かないですよ。


そのような中、だいたい4時間くらいでしょうか、結構な時間をかけて空が明るくなるようなころ、やっと南陽にぬけることができました。ここまでくると雪もかなり少なくて道路も除雪してあったので山形市まで行きつくことができてほっとした思いがしました。山形市街に入る前のふと入った24時間ドライブインのカレーとカツのあいがけミニラーメンセットがほんと美味かった。水もうまかった(笑)

大石田駅のあたりに行くとまたまた雪が多くなって、新雪らしい雪が道路にも積もっていました。期待できそうと思いました。

ボリューミーだったので
ボリューミーだったので

一番びっくりしたのは今まで知らなかったんですけど、山形新幹線って山形過ぎると高架橋の専用路線ではなくて普通の線路を走るんですね。雪で止まらないのかな、夏歩さんちゃんと来れるのかな?と少し不安になりました。大石田駅自体も新幹線の駅みたいじゃないようなホントの地方の駅でほんとこれにもびっくりしました。



大石田駅
大石田駅




銀山温泉


夏歩さんの新幹線が無事到着して、それでは混んでるかもしれない(土曜日だった)けど銀山温泉行ってみますか、混んでたら引き返そうか、みたいな気分で、ということになって向かうことにしました。


やっぱり大雪で銀山温泉に向かう道路は除雪が間に合ってなくて道幅が狭く、すれ違いもままならない感じでしたが、こちらも無事到着。

銀山温泉
銀山温泉

冬の時期は混むというので温泉街近くの坂降りる所にある駐車場は関係者以外利用禁止。引き返して大正ろまん館という広い駐車場に車を止めてシャトルバスで向かうことに。行きは満杯でしたがすぐ乗れました。温泉街の坂の上に到着し、坂を歩いて降りていくのですが、思った以上に客が少なくて、しかもいい感じに雪も降ってきたので撮れ高はよかったかな。朝なのでしょうがないけどやはりねらい目は夕方のライトアップしてからかな、という気はしました。雪がかなり降っていたので、レンズ交換は無理と思ってカメラは2台持って行きました。GFX40-100/4(35-85)とZ9の5012の2本です。


帰りは坂を上ってシャトルバスで戻ります。




羽黒五重塔


念願の冬の羽黒山五重塔へ。最上川を進む道中はすっかり雪が消えていて、雪ないのかな、と心配しながら向かいます。山形も日本海側の海に近づくにつれてやはり雪は少なくなります。最上川も川が大きいので凍るようなこともなく雄大な流れを見せてくれます。ここはカメラを始めてからは3回は来ていてこの森の中にひっそりと潜むようにたたずむ五重塔の魅力に憑りつかれていました。特に冬は初めてでしかも夏歩さんと撮影するなんて念願中の念願。建物撮影によく使うシフトチルトレンズも積み込んで気負いを感じながら参道を歩きました。心配していた雪もいい感じで降ったり止んだりで、参道もそんなに雪深い感じではなくて、最高な感じで撮影できました。途中おなかの大きいママさんのご夫婦や小さい赤ちゃんを連れたご夫婦、数珠を首からかけた修験者みたいなかた、などと通りすがってさすが厳かな信心深い場所だなあと感じました。


「 塔に迎えるお地蔵様 」
「 塔に迎えるお地蔵様 」




冬の笹川流れ


帰りは山形新幹線が東京まで3時間半もかかる(新潟からの上越新幹線だと1時間40分くらい)ということもあり新潟を目指すことに。


海岸線の雪撮も面白いかな、などと思ったのですが日本海まで出ると道路には雪はほぼなくなり時折風で舞い上がるくらいの雪が降ってるくらい。ただ風は強くて外には出られないくらいの突風が吹いていました。

笹川流れは夏に撮ったこともあって、その対比が面白いかな、と。雪はあまり期待できなかったけど日が差すような感じでそれなりの撮影ができました。雪の降りが少ないことも考えて持ってきた400ミリも使って撮影することができました。どうせ車だったのでヨンニッパでも面白かったかなあ、と後で思いました。


「 追想 」
「 追想 」


・・・・・・・・・


雪撮に限らず少し遠出をして撮影するのはやっぱり楽しいですね。今回の車の運転は少し怖かったけど思い出にもなるし、撮影も苦労すると記憶に残る。写真は自己の表現を含めた記録なのだけど、「記憶」の記録なんだなあと改めて思います。


もっとも海外を含めて辺境の地に慣れている夏歩さんにとっては大したことがなかったかもしれませんが、僕にとってはとても楽しい写真旅でしたね。


加えて最後に。


自分よく他のカメラマンさんから誤解されるのだけれど、ポートレート写真なら外撮よりスタジオ自然光撮が好きなんですよ...。


*今回は写真解説入れていません笑




 
 
 

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